
屋根修理を行う際は足場の設置が必要です。ですが、施工内容や立地によっては足場を立てずに「高所作業車」を使用し、工事を進められる可能性もあります。
今回は屋根修理における高所作業車の活用法や使用できるケース・できないケースなどをご説明いたします。
また、足場との違いや価格についてもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
高所作業車とは?
高所作業車とは、名前の通り高所作業を行うためのもので、車両に昇降装置が備え付けられています。電柱の工事などで見かけることが多いかと思います。
高所作業車を使用する際は資格が必要です。そのため、全ての修理業者が対応できるというわけではありません。
作業床が10m未満の場合は、「高所作業車の運転業務に係る特別教育」という特別な教育を9時間程度受けることで資格を得られます。
作業床が10m以上の場合は、「高所作業車運転技能講習」を修了する必要があり、2日程度の時間を要します。
高所作業車が向いているケース・向いていないケース
屋根修理において高所作業車の使用に向いているのは、部分的な補修を行うときです。
例えば
・屋根材の部分的な交換
・板金の修理
・簡易的な点検
というような工事であれば効果的に高所作業車を活用できます。
反対に使用に向いていないのは、広範囲にわたって補修を行ったり、カバー工法・葺き替え工事が必要になるケースです。
屋根全体の作業を要する場合、高所作業車では移動がしにくかったり、作業できる人数が限られるため、作業効率が下がる原因となります。足場を設置したほうが作業性もアップし、しっかりとした施工に繋がります。
高所作業車を使用するメリット・デメリット
メリット
高所作業車を使用する大きなメリットは、コストを抑えて屋根修理が可能な点です。
通常は足場の設置だけでも1日程度かかりますが、高所作業車は停車させてすぐに使用できるため、その日のうちに修理・撤去まで行えます。
工期も短く済むので、できるだけ工事にかかる手間を抑えたいという方には理想的かと思います。
デメリット
デメリットは、前述したように屋根全体の工事が必要な場合には不向きな点や、車両が入れない、もしくは駐車スペースが確保できない場所には使用できないことが挙げられます。
道路が狭い、隣家との距離が近い、電線や障害物があるというケースでは、高所作業車の利用は難しい可能性があります。
高所作業車の費用相場
高所作業車を使用する際の費用は、3万円~6万円が相場です。部分的な修理であれば、合計10万円~15万円程で抑えられます。
足場を使用る場合は設置だけでも20万円程かかるため、コスト面での差は大きいと言えるでしょう。
足場と高所作業車のどちらを選ぶべき?
できれば費用を抑えて屋根修理を行いたいかとは思いますが、足場と高所作業車のどちらが最適なのかは、作業内容や立地によって変わってきます。
足場に向いている条件 | 高所作業に向いている条件 |
---|---|
・広範囲にわたる修理 ・カバー工法や葺き替えなど屋根全体の工事 ・複数人で行う作業がある ・車両から届かない位置の修理 |
・部分的な修理 ・少ない人数でも短時間で済む工事 ・足場が組みにくい場所 ・簡易的な点検 |
必ずしも上記の条件に当てはまるわけではないですが、お客様にとっては費用や工期を抑えられるメリットもありますので、高所作業車を使用したいとお考えの方はまずは施工業者に相談してみるといいでしょう。
まとめ
屋根工事では基本的に足場を組みますが、部分的な修理の場合は高所作業車を使用できるケースもあります。お客様にとってはコスト削減に有効な手段となります。
ただし、どのような工事でも使用できるわけではなく、屋根全体の修理が必要な場合や立地条件によっては、足場を設置しなければなりません。
職人の安全性や作業効率を考え、足場と高所作業車のどちらを選択するのか判断することが大切です。
高所作業車の使用に関して気になる点がある場合は、現地調査の際に聞いてみるようにしましょう。