太陽光発電の設置で雨漏りする原因

太陽光発電を設置することによって雨漏りが発生する原因としては、以下の2点が考えられます。

施工業者の技術力・経験不足

太陽光発電の設置後に起こる雨漏りの最も多い原因が、施工業者の技術不足です。

住宅用の太陽光パネルには、屋根一体型と屋根置き型の2種類があり、屋根一体型の太陽光パネルであれば、屋根に穴をあけずに設置することが可能です。

しかし、屋根置き型の太陽光パネルの場合は、釘を打ち込み屋根にパネルを固定しますので、屋根と屋根の下の防水シートに穴を空けて設置しなければならず、屋根一体型に比べると雨漏りが起こる確率が高くなります。

そのため、設置には雨漏りや防水加工に関してもしっかりとした技術を持った施工者が設置する必要がありますが、施工業者の技術不足によって適切に作業が行われなかった場合は、雨漏りの原因になってしまいます。

施工業者の知識不足

施工業者の技術不足だけではなく、知識不足が原因で雨漏りが起こる場合があります。前提として、太陽光パネルはどのような屋根でも設置できるわけではありません。

経年劣化が激しい屋根や構造上、太陽光パネルの設置に適していない建物、面積が小さい屋根などでは、太陽光パネルを取り付けてしまうと雨漏りの危険性が高くなります。

しかし、施工業者の知識が不足していた場合、雨漏りの危険性に気付かず屋根に設置してしまい雨漏りを引き起こしてしまう恐れがあります。

太陽光発電の設置によるトラブルを防ぐ方法

太陽光発電の設置によるトラブルを防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

信頼できる業者を選ぶ

太陽光発電を設置でトラブルを防ぐためには、信頼できる優良な業者を選ぶことが大切です。

太陽光発電自体、比較的最近個人向けの普及が進んでいるエネルギー設備なため、実績の少ない新規参入業者も少なくありません。

そのため、クチコミサイトなどの評価だけではなく、業者のホームページや施工事例などを確認し、実績豊富な業者を選ぶと安心です。

また、質問をした時にその場でハッキリと答えてくれる業者は信頼性が高いと言えます。さらに、メリットだけではなくデメリットや注意点も丁寧に説明してくれるかどうかも重要なポイントです。

反対に、「名刺を渡さない」「即決を迫る」「特定の製品だけを強く勧めてくる」「質問をしても的確な説明ができない」といったことがあれば、悪徳業者の可能性が高いので、その場で契約をするのはやめましょう。

保証内容を確認しておく

契約をする前に、必ず業者が発行している保証内容も確認しましょう。

太陽光パネルのメーカーが発行している保証もありますが、これは、あくまで太陽光パネルの故障や初期不良を対象としたものであり、工事の過程で発生した雨漏りなどに関する保証や補償は義務付けられていません。

そのため、設置後に「思っていた保証がついていなかった」などのトラブルを防ぐためにも、業者側のミスにより雨漏りが発生した場合の補償について、契約前にしっかりと話し合っておく必要があります。

また、保証内容に併せて、点検・メンテナンス体制、瑕疵保険加入の有無についても確認するようにしましょう。

施工IDを取得しているか確認する

施工IDとは、太陽光パネルの施工や販売を行うために各メーカーが独自に発行している資格のことで、施工IDを取得するためには、各メーカーが行う研修を受け、実技試験に合格する必要があります。

また、複数のメーカーの商品を取り扱う業者の場合は、各メーカーごとに施工IDを取得することで、取得したメーカーの太陽光パネルの施工が可能になります。

しかし、業者の中には施工する業者ではなく、実際は協力会社がIDを持っていただけといったケースもあるので注意が必要です。

業者が施工IDを持っていないとメーカー保証を受けられない可能性があるので、後々のトラブルを防ぐ為にも施工業者が施工IDを持っているのかを確認するようにしましょう。

太陽光発電が原因で雨漏りした時の修理方法

太陽光発電を設置した後、万が一雨漏りが発生した場合には、まずは施工業者へ連絡をしましょう。

保証期間内であれば、無償で修理を依頼することができますし、瑕疵保険を利用している場合には、保険を利用して修理を行うことが可能です。

しかし、保険に加入していない施工業者に依頼した場合や、保証期間を過ぎている時は、自費で修理コストを負担しなければいけません。修理費用も業者や屋根材の種類によって異なりますが、以下の金額を目安にするといいでしょう。

修理内容	修理費用の相場
足場費用	15～40万円
太陽光パネル脱着	10～30万円
ラック・支持金具の脱着	5～20万円
屋根材・屋根下地の部分修理	10～30万円
カバー工法	50～150万円
葺き替え工事	60～200万円

まとめ

太陽光発電の設置によって雨漏りが起こる原因としては、主に施工業者の知識や技術不足が原因と考えられます。

そのため、施工後のトラブルを防ぐためにも、業者選びはとても重要です。

業者選びの際は、施工実績や施工IDの有無などをチェックしましょう。また、メーカーと業者がそれぞれ発行している保証内容についても業者からしっかりと確認すると安心です。

万が一、雨漏りが発生した場合、そのまま放置してしまうと建物の耐震性にも影響しますので、放置はせずに施工業者へ連絡をしましょう。