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台風シーズン前にやっておくべき屋根の事前点検

屋根は普段目にする機会が少ないため、一見問題がないように見えても、気づかないうちに劣化が進んでいることがあります。

劣化に気づかないまま放置してしまうと、強風や台風の際に思わぬ被害につながるおそれがあります。

突然のことで、雨漏りや建物の損傷だけでなく、被害がさらに広がってしまうケースも少なくありません。

だからこそ、「どこを重点的に点検すればよいのか」「事前にどのような対策ができるのか」を事前に把握しておくことが大切です。

今回は、台風シーズン前に確認しておきたい屋根のチェックポイントやその理由、さらに被害が発生した場合の対応について詳しく解説します。

大切なお住まいを守るための備えとして、ぜひ参考にしてみてください。​​​​​​​​​​​​​​​​

台風シーズンはいつ?なぜ事前点検が重要なのか


日本で台風が増える時期は一般的に7月から10月頃で、特に8月から9月にかけてピークを迎えます。

この時期は台風による屋根被害が全国で多く発生しますが、被害が出てから業者を探そうとしても修理依頼が集中し、すぐに対応してもらえないケースも少なくありません。

その結果、応急処置のまま次の雨を迎えてしまい、被害が広がってしまうおそれもあります。

そのため、台風シーズンに入る前の段階で点検や補修を済ませておくことが、被害を最小限に抑えるための大切な備えとなるのです。

台風で起きやすい屋根被害の種類

棟板金の浮き・飛散


棟板金とは、屋根の最頂部を覆う金属製の板で、雨水の侵入を防ぎながら屋根全体の形を保つ役割があります。

通常は木製の貫板の上に棟板金をかぶせ、釘で固定する構造になっていますが、この釘は経年によって徐々に緩み、固定力が弱くなっていきます。

釘が緩んだ状態で台風のような強風を受けると、棟板金が浮き上がったり、飛散してしまうことがあります。

さらに、継ぎ目を保護しているコーキングが劣化してすき間ができると、そこから雨水が侵入し、内部の貫板が傷んでいきます。

貫板が劣化すると釘の効きも弱まり、棟板金がより外れやすい状態になります。このように棟板金は、複数の劣化要因が重なることで不具合が起きやすい部分です。

万が一飛散した場合には、近隣の建物や車、人への被害につながるおそれもあるため注意が必要です。

屋根材のズレ・脱落


瓦屋根は、一枚一枚の瓦を引っかけ構造や固定材によって施工しています。しかし、漆喰の劣化や固定力の低下が進むと、台風の強風によって瓦のズレや脱落が起こりやすくなります。

一方、スレート屋根は、経年劣化や衝撃によってヒビや割れが生じやすく、破損した屋根材が強風で飛散してしまうことがあります。

もともとヒビや浮き、ズレがある状態では、台風をきっかけに被害が一気に広がることも多いため、事前の点検が重要です。

雨樋の破損・詰まり


雨樋は、屋根に降った雨水を集め、地面へ適切に排水するための設備です。屋根から流れた水がそのまま落下すると、外壁や基礎部分に直接負担がかかるため、雨樋が受け止めて排水する役割を担っています。

そのため、雨樋が正常に機能していない状態では、水がうまく流れず、建物への浸水リスクが高まります。

台風時には、強風で飛ばされた枝やビニール片、屋根周辺にたまっていた落ち葉や砂ぼこりなどが雨樋内部に入り込み、詰まりが発生することがあります。

また、強風や飛来物の衝撃によって、雨樋自体が変形・破損してしまうケースもあります。

こうした詰まりや破損によって水があふれると、外壁を伝って窓まわりや外壁のすき間から建物内部へ浸水したり、地面付近へ集中して流れ込むことで、基礎コンクリートの劣化につながる場合があります。

防水シート(ルーフィング)の劣化による雨漏り


防水シートは、屋根材の下に敷かれている防水層で、屋根内部への雨水の侵入を防ぐ重要な部材です。屋根材は表面で雨を受け流す役割を担っていますが、隙間から入り込んだ雨水を最終的に食い止めているのが防水シートです。

防水シートには、ゴムアスファルト系や高分子系などいくつかの種類があり、住宅によって使用されている素材は異なりますが、基本的にどの種類も経年によって硬化やひび割れが進み、防水性能は徐々に低下していきます。

そのため、台風のような強い雨が長時間続くと、雨水を十分に防ぎきれず、雨漏りにつながることがあります。実際に、屋根表面に大きな異常が見られないにもかかわらず防水シートの劣化によって雨漏りが発生するケースも少なくありません。

破風板・軒天の剥がれ


破風板は屋根の側面に取り付けられた板で、屋根の端部を保護する役割があり、軒天は屋根の裏側に位置し、屋根内部を外気や雨風から守る部位です。

どちらも表面は塗装によって保護されていますが、経年劣化によって塗膜の防水性が低下すると、雨水が木材に染み込みやすくなります。こうした濡れ乾きを繰り返すことで、木材の腐食や劣化が徐々に進行していきます。

破風板や軒天は、日常的に風雨の影響を受けやすく、もともと傷みが進行しやすい箇所です。さらに腐食が進むと強度が低下し、台風などの強風によって剥がれや破損が一気に広がる恐れもあります。

特に破風板や軒天は、破損した部材が飛散し、周囲への二次被害につながる可能性もあるため注意が必要です。

台風前に確認すべき屋根の点検ポイント

棟板金のチェック


棟板金では、「釘の状態」と「コーキングの劣化」を中心に確認します。

まずチェックしたいのが、板金を固定している釘の浮きや抜けです。釘が浮いている場合、軽く押すと動くこともありますが、正確な状態は屋根の上でなければ判断しにくい部分です。

屋根に上る作業は危険を伴うため、無理にご自身で確認しようとせず、気になる点があれば専門業者に任せるほうが確実です。

あわせて、接合部に使われているコーキングの状態も確認しておきましょう。ひび割れや剥がれ、細く痩せて隙間ができていないかがチェックポイントです。

コーキングは一般的に5〜10年ほどで劣化が進むため、施工から年数が経っている場合は特に注意が必要です。

また、棟板金の内部には「貫板(ぬきいた)」という下地材があります。この部分が傷んでいると釘の固定力が弱まり、強風時に外れやすくなります。

貫板は外から確認できない箇所のため、定期的に専門業者による点検を行うことで、不具合の早期発見につながります。

屋根材のチェック


屋根材は、「ヒビ・割れ・欠け・ズレ」がないかを中心に確認していきましょう。たとえばスレート屋根では、塗装の劣化が進むことでコケや藻が発生しやすくなります。

こうした状態を放置すると、屋根材自体の傷みが進み、反りやひび割れにつながることがあります。瓦屋根の場合は、瓦のズレや漆喰(しっくい)の崩れに注意が必要です。

漆喰は瓦を固定する役割を持っているため、劣化が進むと強風の影響を受けやすくなります。

このように劣化の現れ方は屋根材の種類によって異なりますが、進行すると台風時などに飛散のリスクが高まるおそれがあります。

そのため、地上から双眼鏡などで大まかな状態を確認しておくと、劣化などの変化に気づきやすくなります。

ただし、細かな異常までは把握しづらいため、定期的に様子を確認しておくことが大切です。

雨樋のチェック


雨樋(あまどい)は、雨水をスムーズに排水するための重要な設備です。まずは、落ち葉や砂埃などが詰まっていないかを確認しましょう。

詰まりがあると雨水がうまく流れず、あふれた水が外壁や屋根の劣化につながることがあります。気になる汚れは、台風前に取り除いておくことでトラブルの予防につながります。

あわせて、雨樋そのものの状態も確認しておきましょう。歪みや接続部分の外れは、地上や窓からでも比較的確認しやすいポイントです。

さらに、素材によって劣化の仕方にも違いがあります。塩化ビニール製は経年で硬くなって割れやすく、金属製はサビや腐食によって強度が低下していきます。

こうした傷みが見られる場合は、早めに対処しておくことで台風時の被害を抑えやすくなります。

破風板・軒天のチェック


破風板や軒天は、屋根の内部を守る大切な役割を担っています。まずは、塗装の剥がれや変色、腐食、穴あきなどがないかを確認してみましょう。

特に木製の破風板は傷みやすいため、表面の塗膜だけでなく、素材そのものの状態にも目を向けることが大切です。

また、軒天にシミや変色が見られる場合は、内部で雨漏りや結露が発生している可能性も考えられます。こうした変化は外からのサインとして現れることが多く、早めの気づきにつながります。

劣化が進むと、雨水の侵入や強風による破損につながるおそれもあるため、屋根周り全体の状態としてあわせて確認しておくことが、不具合の早期発見につながります。

コーキング(シーリング)のチェック


コーキングは、屋根材のつなぎ目や板金まわりの隙間を埋める防水材で、雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。

とはいえ、紫外線や気温の変化の影響を受けるため、時間の経過とともに少しずつ劣化が進んでいきます。

コーキングの一般的な耐用年数は5〜10年ほどとされているため、施工から年数が経っている場合や点検時期がはっきりしない場合は、一度状態を確認しておくと安心です。

劣化が進むと、ひび割れや剥がれ、縮みによる隙間が生じることがあります。そのままにしておくと、台風時の大雨で雨水が入り込む原因になるため注意が必要です。

こうした状態が見られる場合は、「打ち替え」や「増し打ち」といった方法で補修を行うことで、防水性を維持しやすくなります。

自分でできる点検と業者に依頼すべき点検の違い

自分でできる範囲

地上や2階の窓から双眼鏡を使うことで、屋根の状態をある程度目視で確認することができます。特に次のような箇所は、比較的チェックしやすいポイントです。

日頃からこうした部分に目を向けておくことで、異常の早期発見につながります。

業者に依頼すべき理由


日常の中でチェックすることは大切ですが、慣れていない方がご自身で屋根の上に上がって細かく確認するのはとても危険です。

足元が不安定だったり、勾配がきつかったりすることで、思わぬ事故につながるおそれがあるため、屋根の上での作業は専門業者に任せるのが基本です。

また、外から見ているだけでは分からない劣化も少なくありません。

たとえば、棟板金の内部にある木材の傷みや、屋根の下に敷かれている防水シートの劣化などは、実際に開けて確認しないと判断できない部分です。

見た目に問題がなさそうでも、内部で劣化が進行しているケースもあります。このように、外から確認できる範囲と専門的な点検が必要な範囲には違いがあります。

そのため、台風シーズン前は、安全性と確実性の両面から、専門業者に点検を依頼することが安心につながります。

点検のベストタイミングは「梅雨明け前」


点検や補修は、台風シーズンが本格化する前の5〜6月が適した時期と言えるでしょう。

この時期はまだ繁忙期に入る前のため、業者の予約も比較的取りやすく、工事もスムーズに進めやすくなります。

とはいえ、7月以降は台風の接近とともに問い合わせが増え、希望通りのスケジュールで対応できないケースも出てきます。

台風が近づいてから慌てて連絡しても、状況によっては対応が間に合わないこともあるので、早めの確認が重要です。

気になる箇所がある場合は、余裕のある時期に一度点検を行っておくことで、台風シーズンを落ち着いて迎えやすくなります。

点検後に補修が必要な場合の対応


点検の結果、不具合が見つかった場合は、できるだけ早めに補修工事を進めることが大切です。

劣化や不具合をそのままにしておくと、台風の強風や大雨の際に、屋根材の飛散や雨漏りにつながるおそれがあります。

軽微な補修であれば、棟板金の釘の打ち直しやコーキングの補修、屋根材の部分的な差し替え、雨樋の清掃や一部交換などで対応できることが多く、比較的短期間で工事が完了するケースも少なくありません。

そのため、早い段階で対応しておくことで、台風シーズン前に状態を整えやすくなります。

ただし、屋根全体の葺き替えや、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねるカバー工法など、規模の大きい工事になる場合は、材料の手配や工程の調整に時間がかかります。

後回しにしてしまうと台風シーズンに間に合わない可能性もあるため、早めに現地調査や見積もりを進めておくと安心です。

被害が起きてから対応するのではなく、余裕のある段階で補修を済ませておくことで、雨漏りや飛散といったトラブルを防ぎやすくなります。

台風被害が出てしまった場合は火災保険が使える可能性あり


台風による屋根の被害は、加入している火災保険の「風災補償」が適用できる場合があります。

風災補償は、台風や暴風、突風などによって生じた損害を補償するもので、多くの火災保険に標準的に含まれています。

保険の申請には、被害状況を記録した写真のほか、専門業者による修理見積書や保険会社所定の申請書類などが必要になります。

そのため、被害が発生した際は修理を始める前に現状を写真で記録し、早めに専門業者や保険会社へ相談しておくことが大切です。

ただし、台風による被害であっても、経年劣化が主な原因と判断された場合は補償の対象外となることがあります。

このような点も踏まえ、日頃から点検やメンテナンスを行い、建物の状態を適切に保っておくことが、いざというときに保険を正しく活用するうえでも重要です。

まとめ

台風シーズン前の屋根点検は、被害の予防や修理費用の負担を抑えるためにも大切な備えです。

棟板金や屋根材、雨樋、破風板、コーキングなど、屋根を構成する各部分はそれぞれ劣化の進み方が異なります。

小さな不具合でも早めに気づいて対処しておくことで、台風時の大きなトラブルを防ぎやすくなります。

点検のタイミングとしては、梅雨明け前の5〜6月がひとつの目安です。

「まだ大丈夫」と思っているうちに劣化が進むこともあるため、余裕のある時期に一度、専門業者による点検を受けておくと安心です。

なお、台風による被害が発生した場合は、火災保険が適用できるケースもあります。いざというときに備えて、あらかじめ保険内容を確認しておくとより安心です。

大切なお住まいを守るためにも、台風シーズンが本格化する前の早めの備えを心がけておきましょう。

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